ソフトウェアローカリゼーションの5つのメリット
ローカライズするか?しないか?ソフトウェア会社や開発者は、この問題によく直面します。世界的な普及を目指す、または使いやすさを追求するのなら、ソフトウェア製品を1つのバージョンで提供することは、もはや選択肢に入りません。対象ユーザーが日常のコミュニケーションで英語を完全に使いこなせるとしても、ソフトウェアに表示される高度な専門用語や技術用語に対処しなければならなくなった場合、まったく混乱しないとは限らないのです。
もちろん、ネイティブスピーカーでなくても、多くの人は「Close」や「Save」などの単純なコマンドは理解できますが、経験の浅いユーザーの大多数は「Failed to enumerate SSL bindings」や「String or binary data would be truncated」といった複雑なメッセージに困惑するでしょう。ソフトウェアローカリゼーションへの投資が素晴らしいアイデアとなる可能性がある理由は、メッセージを明確にできるからということだけではありません。ソフトウェアローカリゼーションにより、ユーザーはさらに多くのメリットを得ることができます。
1.市場シェアが拡大し、国際的な売上が増加する
ソフトウェアをローカライズして複数の言語で使用できるようにすると、新しい市場に参入しやすくなります。ローカライズバージョンが多いほど、多くの製品を世界中のユーザーに販売できます。これにより、利益が増加し、ローカル市場とグローバル市場の両方で会社の地位が強化されます。
2.新たなユーザーや顧客にアピールできる
ソフトウェアのユーザー数の増加を目的としたマーケティング戦略は数多くあります。ローカリゼーションを適切に行えば、ソフトウェアを使用および理解できるユーザー層が拡大します。ソフトウェアが1つの言語または1つの地域でしか使用できないと、限られた数の顧客しかメリットを得られません。製品のロケールを増やすことで、潜在的な購入者層を広げ、母語での使用が可能なソフトウェアであるとアピールできるようになります。
3.製品の機能に対する理解が深まる
顧客がソフトウェアに表示されたテキストを完全に理解し、操作できれば、製品を正しく使用することも、機能について学習することも可能になります。その製品を使用するメリットをすべて認識できるのは、すべてのボタン、メニュー項目、コマンド、メッセージ、通知を明確に理解できる場合のみです。つまり、言語の壁がなければ、製品の潜在能力を最大限に引き出せるのです。
4.サポートコストを削減できる
適切なソフトウェアローカリゼーションにより、元の機能は維持しつつ読みやさが向上すると、ユーザーは製品を理解しやすくなり、顧客体験が向上します。これは、製品に関する潜在的な質問を減らし、サービスデスクの負担軽減につながります。その結果、企業はサポートコストを削減して他の活動に投資することができます。
5.競争上の優位性を獲得できる
競争の厳しい時代では、多言語での製品提供が他社との差別化につながる場合があります。言語の壁によって競合他社がまだ参入できていない市場に、自社製品を送り込めます。反対に、競合他社がローカライズ済みソフトウェアをすでに販売しているのに、それに追随しないと、母語の製品を購入する可能性の高い見込み顧客を失います。
ソフトウェアローカリゼーションは、強力な国際ブランドを構築し、見込み顧客の信頼とロイヤルティを獲得するための優れた戦略です。ただし、この戦略が成功するのは、ローカリゼーションが適切に行われ、未翻訳の文字列、誤字脱字、文法エラー、テキストの途切れ、小さすぎるフォントサイズ、文字数制限に合わせた不明確な略語といった機能上のバグや読みにくさの問題がない場合に限られます。結局のところ、品質を確保することも、ユーザーの期待に応えることもできなければ、製品をローカライズする意味がないのです。ですから、ローカライズ済みソフトウェアが完全に機能し、すべてのバグが修正されていることを、リンギストやテスト担当者とダブルチェックしてください。そうして初めて、ソフトウェアローカリゼーションからビジネス上のメリットを得られるようになります。
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