バイリンガルファイルからの翻訳メモリ更新
2024年2月21日
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バイリンガルファイルからの翻訳メモリ更新
今回は、翻訳作業済みバイリンガルファイルからの翻訳メモリの更新と、その際のオプションについてご説明したいと思います。
メインの翻訳メモリの更新
バイリンガルファイルの訳文を一括で翻訳メモリに対して反映させるには、[エディタ]ビューの[一括タスク]より[メインの翻訳メモリの更新]を実行します。
この操作が必要となるのは、たとえばプロジェクトマネージャーが翻訳担当者に作業を依頼し、翻訳内容を確認した後などです。
プロジェクトマネージャーが翻訳担当者からプロジェクトの返却パッケージ(翻訳作業済みのバイリンガルファイルが含まれています)を受け取り、レビュー完了後に承認された翻訳をメインの翻訳メモリに反映させる時に、この一括タスクが使用されます。
設定項目 – 訳文分節が異なる場合
ここで、一括タスク実行時の設定項目について確認してみましょう。特に、[訳文分節が異なる場合]という項目についてご質問をよくいただきます。
既定で選択されている[翻訳単位を同化する]とは、具体的にどのような処理を行うのでしょうか。
たとえば翻訳メモリ(TM)内に既存の翻訳単位(TU)に対して、原文は同じですが訳文が異なる文節が存在し、さらに既存のTUに設定されているカスタムフィールドの値とは異なる値が読み込まれるとします。
表にすると、このようなものになります。 

ここから[翻訳単位を同化する]を選択して翻訳メモリを更新すると、以下のようになります。

つまり、異なっている訳文に対してはより新しい訳文内容が上書きされ、カスタムフィールドの値に関しては双方の値が保持されます。
カスタムフィールドを使用していない場合には、新しい訳文内容が上書きされるのみとなりますので、[最新の翻訳単位を保持する]を選んだ場合と同じ結果になります(そのため混乱が生じやすいとも言えます)。
こちらの挙動に関しては、以下のKB記事にてより詳しく解説されています。
設定項目 – 更新対象の分節ステータス
また、[分節のステータス]の設定についても注意してください。
既定ではTMへのインポート対象となるのは[翻訳済み][翻訳承認済み(レビュー済み)][リリース(採集承認済み)]のステータスとなっている文節のみです。
[翻訳中]や[未翻訳]のステータスの分節もインポート対象としたい場合、こちらの設定を変更し、一括タスクを実行する必要があります。