Trados Studio 2022 Service Release(SR1)で、翻訳のすべてを可能にする取り組みを継続
- 自動的に、翻訳のすべてを可能に:当社は先日、高度な機械翻訳ソリューション「Language Weaver」を通じて適応型機械翻訳を復活させることを発表しました。お客様は年間600万文字まで無料でご利用いただけます。これはおよそ120万ワードに該当します!
- 簡単に、翻訳のすべてを可能に:当社はまた、当社のテクノロジーをすべての方に最大限に活用してほしいと考えています。そのため、Trados Studio 2022にはレベル1 eラーニングが付属しており、お客様は自身の翻訳環境で自信を持って作業できるようになります。
- インテリジェントに、翻訳のすべてを可能に:最近、生成AIが業界をにぎわせており、その影響について、さまざまな予測が日々登場しています。こうした予測が現実のものになるかどうかはまだわかりませんが、当社は、どのような未来になるとしても、翻訳者がこの新しいテクノロジーを活用し、目標に向かって前進できるようにしたいと考えています。そのため、アップグレードを行うすべてのお客様に、今後Trados Studioに導入する未来のAI機能を無料でご利用いただけるようにすることをお約束します。
『翻訳テクノロジーに関するインサイト(2023年版)』から、大多数のユーザー(68%)が使いやすいテクノロジーを求めている一方で、新機能を求めるユーザーはわずか7%であることがわかりました。皆様の声は私たちにしっかり届きました。進化するニーズをサポートするために、今あるものから改善していきます。まずはSR1で、RWSのコミュニティで提供されたフィードバックに基づき、既存の機能を次のように強化しました。
- 新しいデスクトップエディタテクノロジー:ファイルを開く時間が短縮され、大容量ファイルの処理がシームレスになり、見やすさが高まった結果、ユーザー体験が向上します。
- 用語集の処理を強化:Trados Studioの用語チェックで誤検出の頻度が減りました。この要望は長年にわたり多方から受けていたため、今回のリリースで対応できたことを非常に嬉しく思います。
- マネージャビューでTrados GroupShareプロジェクトを完全サポート:Trados Studio 2022でマネージャビュー(ベータ版)がリリースされ、プロジェクトやファイルをより一元的に管理できるようになりました。当初はローカルのTrados Studioプロジェクトのみのサポートでしたが、今回の新しいビューではTrados GroupShareプロジェクトも処理できるようになり、ローカルとサーバー、両方のプロジェクトを完全にサポートできます。クラウドプロジェクトや他の形式のプロジェクトとの互換性もまもなく実現します。
- ファイルビューの進行状況バーで残りの単語数やセグメント数に基づいて進捗状況を確認できるようになり、柔軟性が向上:RWSのコミュニティでよく議論されたアイデアなので、この機能を提供できたことを非常に嬉しく思います!
ご存知のように、Trados Studioは単なるデスクトップ翻訳支援ソフトウェアではありません。クラウドベース環境にシームレスに拡張され、プロジェクトの翻訳、レビュー、管理のための柔軟なオプションが提供されます。Trados Studio 2022より、Trados Studioユーザーは、ライセンスの一部として基本的なクラウド機能を無料で利用できるようになりました。このため、デスクトップとクラウドベースの作業をニーズに合わせて自由に組み合わせることができます。
当社のクラウドプラットフォームは、新たなイノベーションや機能で継続的に更新されており、リリースと同時にユーザーが利用できるようになります。最新の更新プログラムでは、デスクトップエディタに導入されている機能に合わせ、オンラインエディタにスマートアクションが追加されます。これにより、原文分節にあるタグ、頭字語、用語、書式設定などのあらゆる要素を訳文分節にすばやく配置できます。さらに、オンラインエディタでコメントをすばやく追加することも、ドキュメント構造情報を簡単に表示することもできるようになります。デスクトップとオンラインで同じ機能を提供すると、ユーザーは自信を持って効率よく環境間を移動できます。クラウドに加えられた数百もの更新について詳しくは、コミュニティで確認できます。
Trados Studioのデスクトップコンポーネントがクラウドプラットフォームと円滑に連携するように、この統合環境を一貫して強化しています。SR1でもこの姿勢を変えず、大容量の翻訳メモリや用語ベースのクラウドへの移行を適切にサポートし、クラウドへ容易に移行できるようにします。Trados Studioでは、クラウドプロジェクトでのカスタムワークフローのサポートも強化しており(Trados AccelerateとTrados Enterpriseで利用可能)、ユーザーはブラウザと同じ方法で、ワークフローに合わせてファイルを自由に移動できます。
どんなファイルも作業可能
Tradosを使用すると、自信を持ってあらゆるファイル形式を処理し、あらゆるジョブを受けることができます。SR1でも、こうした前提を守り続けるため、40種類以上のファイル形式を改良し、最新の開発環境に対応できるようにしました。一番のポイントは、Microsoft PowerPointの最新のコメント機能に完全に対応し、Adobe InDesign 2023のサポートも追加した点です。
新しいAI搭載の翻訳コンパニオンを活用…
最近のイノベーションに関しては、ChatGPTの背後にある大規模言語モデルをTrados Studioに追加する新しいアプリ「OpenAI Translator」の提供を開始しました。この新しいアプリは、RWS AppStoreからダウンロードでき、翻訳コンパニオンとして機能します。このアプリにより、作業を改善し、言語面のさまざまな課題に取り組むことができます。そして最終的には、翻訳の全体的な品質向上につながります。事前定義したプロンプトやカスタムプロンプトのリストを使用し、次のようなことができます。
- 現在の提案訳に替わる翻訳を生成
- 原文/訳文コンテンツに関する追加情報を提供
- 翻訳のトーンを変更
- 翻訳の長さを短縮
- ジェンダーバイアスを回避
- …新しく素晴らしい可能性が続々と(可能性は無限!)
この新しいアプリの使用方法や設定方法などについて詳しくは、RWSのコミュニティにあるWiki記事をご覧ください。
Trados Studioで新しいAI搭載機能を提供する取り組みは始まったばかりです。今後は、同様の機能を備えた他のLLMのサポートも追加し、作業に適したツールを自由に選択できるようにします。機能の適応範囲も、分節を越えてファイルレベルやプロジェクトレベルへと拡大していきます。また、生産性の向上に役立つ、AIを適用できそうなエリアを積極的に調査していきます。たとえば、Trados Studio全体での正規表現の構築や、用語集の調査支援、プロジェクト作成サポートなど、あらゆるエリアを見落とすことなく、迅速かつ簡単なプロジェクトの実現を目指して調査します。
ユーザーに合わせてカスタマイズ
個人翻訳者、翻訳会社、企業を問わず、どの段階のローカリゼーション作業でも、Tradosはユーザーに適した設計になっています。私たちが当社サービスを向上させる新たな方法を常に模索しているのは、お客様の成功を支援するためです。このことを念頭にTrados Studio 2022 SR1で導入したのが、視覚障がいのあるユーザーによる[新しいプロジェクトの作成]ウィザードの使用を可能にするための、新たなアクセシビリティ機能です。JAWSなどの音声読み上げ機能を使用してウィザードにあるすべてのコントロールを読み上げるほか、必要なフィールドに音声で入力できます。これは、当社のサービスをすべてのユーザーにとって利用しやすいものにするための第一歩にすぎません。
また、Trados Studio 2022 SR1とともに、MultiTerm 2022の最新Service Releaseもリリースし、互換性を最大限に高めます。
今回のSR1の解説はここまでとします。ご説明してきたように、このリリースにはさまざまな機能と拡張機能が含まれていますが、これがすべてではありません。今回の開発の全容について詳しくは、Trados Studio 2022 SR1のリリースノートまたは以下の新機能の紹介動画をご覧ください。
まだTrados Studio 2022をご使用でない場合でも、これらの新機能を活用したいと思ったら、今すぐアップグレードしましょう!