イベントのデジタル化が生みだす翻訳者の新たな機会
2020年は間違いなく厳しい年でした。コロナ禍で新たにあらゆる拘束が課され、ライブイベントは大きな影響を受けました。各地で祝賀行事、式典、スポーツリーグ、ビジネス会議の中止が相次ぎ、イベント業界が新たな規制に直面する中、その結果としてもたらされた魅力的な進化を私たちは目の当たりにしています。
バーチャルイベントそれ自体が新しい現象という訳ではありませんが、今年の3月以降、世界中でその存在感が爆発的に増しています。こうした劇的な変化は、中でも技術にあまり詳しくない人々に新たな課題をつきつけています。一方で、バーチャルイベントは参加者に新たな素晴らしいチャンスももたらしています。「新たな素晴らしいチャンスとは?」というあなたの声が聞こえてきました。ご質問ありがとうございます。
1.どこからでも参加できる
わざわざ空港や駅まで行ったり、イベントに必要な交通費を用意したりする必要はもうありません。ボタンをクリックするだけで、参加できるのですから。
また、さまざまな言語でバーチャルイベントが提供される可能性もはるかに高くなっており、母語でトレーニングイベントに参加したいプロの翻訳者には特にメリットがあります。
2.時間をもっと有効活用できる
バーチャルイベントのもう1つ素晴らしいところは、自分に関係するセミナーやトレーニングセッションだけに参加すればよい点です。これまでは、昼食後のトレーニングが始まるまでホテルの会議室で座って待っている必要がありました。でも今は、進行中の翻訳プロジェクトの作業を進めながら、好きなときに自分に関係するセッションに参加することができます。
マルチタスクに対応できる人は、バックグラウンドでイベントセッションを実行させながら、他の活動をすることもできます。自分の時間を取り戻せるのです!
3.これまで以上に多くの人とつながりを持てる
ネットワーキングはこれまでも翻訳業界イベントの重要な要素でしたが、今では新しいテクノロジーを活用することで、はるかに大きな規模で人々と出会い、交流することができるようになりました。
もちろん、この業界の人々に親しまれ、愛されている従来の対面でのネットワーキングに代わるものはありません。しかし、分科会、さまざまなチャットオプション、動画での交流などを提供する新しいイベントプラットフォームが誕生したことで、さまざまな新しい方法でこれまで出会ったことがないような人々に出会えるようになりました。
またこうした方法は、自己紹介や会話を始める際にそれほど緊張せずに済むため、内向的な人にとっては助かるかもしれません。
4.デジタルの進化に関与できる
プラトンが「必要は発明の母」と言ったように、ライブイベントの代わりにバーチャルイベントが必要になったことで、イベントテクノロジーの開発と高度化が驚くほど加速しているのを誰もが目の当たりにしています。
こうした進展を目にして、デジタルの進化を体感し、その一部になることは、翻訳業界にとって極めて重要なことです。バーチャルイベントがもう期待に沿ったものになっているのかどうかわかりませんが、この素晴らしい変革はまだ始まったばかりであり、幸運にも私たちはそれを初めて目で見て、耳で聞き、体験しているのです。この幸せを、少し立ち止まって味わってみましょう。