Trados Studio 2024へのアップグレード時に必要となるXML 1ファイルタイプ設定からXML 2ファイルタイプ設定への移行

島田 智紀 島田 智紀 シニアソリューションコンサルタント 2024年9月20日 読了目安時間:3分 読了目安時間:3分

Trados Studio 2024へのアップグレード時に必要となるXML 1ファイルタイプ設定からXML 2ファイルタイプ設定への移行

Trados Studio 2024のリリースノートに記載されているように、Trados Studio 2024では従来のXML 1ファイルタイプ設定がサポートされなくなっています。そのため、以前のバージョンのTrados StudioからエクスポートされたXML 1ファイルタイプ設定はTrados Studio 2024に直接インポートできません。

以前のバージョンのTrados Studioで使用していたカスタムのXML 1ファイルタイプ設定をTrados Studio 2024でも使用する場合は、以前のバージョンのTrados Studio(2019/2021/2022)をまだ使用できるうちに以下の方法でXML 1ファイルタイプ設定をエクスポートし、Trados Studio 2024環境でXML 2ファイルタイプ設定にインポート(移行)してください。
 
ここで言う「カスタムのXML 1ファイルタイプ設定」とは、[ファイルの種類]の設定で(「XML 2:」からではなく)「XML:」から始まるファイルタイプ設定を独自にカスタマイズして使用していたものを指します。

  
① カスタムのXML 1ファイルタイプ設定をXML 2ファイルタイプ設定に移行する

※ 以下の手順はこちらのナレッジベース記事(英語)に基づいています。
  
a. 以前バージョンのTrados StudioでカスタムのXML 1ファイルタイプ設定をエクスポートする
  1. 下で説明するTrados Studioライセンスのアップグレードを行う前に、以前のバージョンのTrados Studioを起動します。
  2. 特定のプロジェクトからカスタムのXML 1ファイルタイプ設定をエクスポートする場合は、該当するプロジェクトを開き、[プロジェクトの設定]>[ファイルの種類]を選択します。Trados Studio環境全体で設定したカスタムのXML 1ファイルタイプ設定をエクスポートする場合は、[ファイル]>[オプション]>[ファイルの種類]を選択します。
  3. 右側の[ファイルの種類]の一覧でカスタムのXML 1ファイルタイプを選択し、設定のエクスポート]をクリックします。
  4. エクスポートするファイル(.sdlftsettings)の保存先と名前を指定して[保存]をクリックします。
 
b. XML 1ファイルタイプ設定をXML 2ファイルタイプにインポートする
  1. アップグレード後のバージョンのTrados Studioを起動します。
  2. 特定のプロジェクトにXML 1ファイルタイプ設定をインポートする場合は、[プロジェクトの設定]>[ファイルの種類]を選択します。Trados Studio環境全体にXML 1ファイルタイプ設定をインポートする場合は、[ファイル]>オプション]>[ファイルの種類]を選択します。
  3. 右側の[ファイルの種類]の隣にある[新規作成]をクリックします。
  4. [種類の選択]ダイアログボックスで[XML 2]を選択し、[OK]をクリックします。
  5. [ファイルの種類の情報]ページで、[ファイルの種類の名前]にXML 2ファイルタイプの名前を入力し、[ファイルの種類の識別子]で「XML 2.0.0.0 based on XML 1」のような識別子を指定して、[次へ]をクリックします。
  6. [パーサー規則の種類]ページで、[XPath規則]を選択し、[次へ]をクリックします。
  7. [XML設定のインポート]ページで、[XML、sdlftsettingsまたはXSD規則ファイルに基づいて設定を定義]を選択し、[参照」をクリックし、[設定のインポート]ダイアログボックスが表示されたら [ファイル名] フィールドの右にあるドロップダウンリストから[Sdl設定ファイル (*.sdlftsettings)]を選択し、上の手順でエクスポートしたXML 1ファイルタイプ設定(.sdlftsettings)を指定して[次へ]をクリックします。
  8. [XML設定のインポート]ページで、.sdlftsettingsファイルのインポートのステータスを確認し、[次へ]をクリックします(変換された設定に手動での確認が必要な項目がある場合は「警告」アイコンまたは「情報」アイコンが表示されます)。
  9. [ファイル検出]ページと[名前空間]ページで、ルート要素と名前空間が正しく検出されていることを確認し、必要に応じて調整を行います。
    名前空間の設定が必要な要素(タグ)の定義が読み込んだ.sdlftsettingsファイルに含まれていた場合は、[パーサー規則] ページの [詳細] 列に「警告」アイコン(オレンジ色の「!」マーク)が表示されます。

    名前空間の設定が必要な要素(タグ)については、(上図にある「//h:page」のように)[パーサー規則] ページの [規則] 列に「//<名前空間の接頭辞>:<要素名>」という形式で表示されます。

    このような要素が1つでもある場合は [戻る] をクリックして [名前空間] ページに戻り、「警告」アイコンが表示されているすべての要素(タグ)の名前空間の接頭辞とURIを定義する必要があります。
    通常、名前空間のURIは、翻訳対象とする原文XMLファイルの冒頭付近でのように定義されていますので、これを参考にして設定を行います。


    詳しくは、下記のヘルプページおよび外部ウェブページ(いずれも英語)も参照してください。
    XML Detection settings
    Creating custom XML 2.0 file types
    XML Namespaces
  10. [パーサー規則]ページで、変換されたパーサー規則が正しいことを確認し、必要に応じて調整を行います(確認が必要な項目が残っている場合は「警告」アイコンが表示されます)。
 
② Trados Studioライセンスをアップグレードしてアクティブ化する
 
Trados Studio 2024のアップグレードライセンス(以前のバージョンからのアップグレード権)を購入した場合は、Trados Studioライセンスのアップグレードで説明されている手順に沿ってライセンスのアップグレードとアクティブ化を行います。

Trados Studio 2024のライセンスを新規に購入した場合は、Trados Studioライセンスのアクティブ化で説明されている手順に沿ってライセンスのアクティブ化を行います(ライセンスのアップグレードは不要です)。

サブスクリプションライセンスを使用している場合は、Trados Studioのサブスクリプションライセンスで説明されている手順に沿ってTrados Studio 2024にサブスクリプションライセンスを適用します。
島田 智紀
制作者

島田 智紀

シニアソリューションコンサルタント
RWSでTrados製品のコンサルティングをしております。
Trados認定トレーナー。
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