Trados Studioを別のPCに移行する方法

島田 智紀 島田 智紀 シニアソリューションコンサルタント 2024年8月22日 読了目安時間:3分 読了目安時間:3分

Trados Studioを別のPCに移行する方法

今回のブログでは、新しいPCを購入した場合や、PCが壊れた場合など、今までとは別のPCでTrados Studioを使用したいときに、どのような手順で移行を行うべきかをご紹介します。

別のPCにTrados Studioを移行する作業は、大きく以下の流れになります。

  1. 新しいPCにTrados Studioをインストールする
  2. 以前のPCでTrados Studioを使用して作成したデータ(プロジェクトや翻訳メモリなど)を新しいPCに移行する
  3. 以前のPCで使用中のライセンスを非アクティブ化する
  4. 新しいPCでライセンスを再度アクティブ化する


それでは、各ステップを詳しくみていきましょう。

※ 本手順はTrados Studioデスクトップアプリケーションに該当する操作です。Tradosのクラウド機能を利用する場合は不要な操作となります。


① 新しいPCにTrados Studioをインストールする

1. 新しいPCでTrados Studioを使用するには、新しいPCで再度インストールを行う必要があります。

2. RWSアカウントにログインし、「製品およびプラン」の「ダウンロード」からTrados Studioのインストーラをダウンロードしてインストールを行います(インストールの方法については、Trados Studioのインストールをご覧ください)。

3. この時、初めてTrados StudioをインストールするPCでは、初回のみ30日間の無料トライアルモードでTrados Studioを起動できます。トライアルモードではすべての機能を使うことができます。

4. 次の手順②でTrados Studioのデータを移行する際に、以前のPCと新しいPCの両方でデータが正しく移行されたかどうかを確認できるよう、この段階ではライセンスの非アクティブ化およびアクティブ化は行わず、トライアルモードのままにしておくことをお勧めします。


② 以前のPCでTrados Studioを使用して作成したデータ(プロジェクトや翻訳メモリなど)を新しいPCに移行する

1. 必要に応じ、以前のPCでTrados Studioを使用して作成したデータ(プロジェクト、翻訳メモリ、用語ベースなど)を新しいPCにコピーします。

2. 新しいPCにインストールしたTrados Studio環境で以前のプロジェクトを開くには、[プロジェクト]ビューで[プロジェクトを開く]を選択し(またはCtrl+Oを押し)、コピーしたプロジェクトフォルダ内のプロジェクトファイル(.sdlproj)を選択します。

3. 翻訳メモリ用語ベースが見つからないというメッセージが表示された場合は、[プロジェクトの設定]を開き、[言語ペア]から[翻訳メモリと自動翻訳]または[用語ベース]を選択して、以前のPCからコピーした翻訳メモリ(.sdltm)または用語ベース(.sdltb)を設定し直します。

※ デフォルトでは、プロジェクト翻訳メモリ、および用語ベースはWindowsの[ドキュメント]フォルダの下にある[Studio 2024]などの中の、[Projects]フォルダ、[Translation Memories]フォルダ、および[Termbases]フォルダにそれぞれ保存されます。

4. 以前の環境でカスタマイズしたユーザー設定(ショートカットキーの設定や表示設定やスペルチェッカーの設定など)を新しい環境に引き継ぎたい場合は、以下の方法で移行します。

  1. 以前のPCのTrados Studio環境で[ファイル] > [設定] > [ユーザー プロファイルの管理] > [ユーザーの設定のエクスポート]を選択し、任意のエクスポート先とファイル名を指定してユーザープロファイル(.sdlprofile)をエクスポートします。
  2. 新しいPCのTrados Studio環境で[ファイル] > [設定] > [ユーザー プロファイルの変更] > [既存の設定を次の場所にバックアップ]の順に選択し、[ユーザー プロファイルの選択]画面で[プロファイル]フィールドの右にある[参照]をクリックして以前の環境からエクスポートしたユーザープロファイル(.sdlprofile)を選択し、[完了]をクリックします。


5. 以前の環境で使用していたプラグインを新しい環境でも使用したい場合は、以前のPCから新しいPCに下記のフォルダをコピー(上書き)します。

(Trados Studio 2022以降の場合)

C:\Users\[ユーザー名]\AppData\Roaming\Trados\Trados Studio\18\Plugin  (※数字の部分はTrados Studioのバージョンにより異なります)

(Trados Studio 2021以前の場合)

C:\Users\[ユーザー名]\AppData\Roaming\SDL\SDL Trados Studio\16\Plugins\  (※数字の部分はTrados Studioのバージョンにより異なります)
 
 
※ AppDataフォルダ以下は隠しフォルダになっているため、Windowsの初期設定では表示されません。
  上記のフォルダがWindowsエクスプローラーで表示されない場合は、こちらのページなどを参考にして、隠しフォルダを表示する設定に変更してください。

※ 上記の方法で移行できるのはTrados Studioに直接組み込まれるプラグイン(.sdlplugin)のみです。
  単体で機能する補助アプリについては、再度新しいPCでインストールを行ってください。 

③ 以前のPCで使用中のライセンスを非アクティブ化する

別のPCでTrados Studioを稼働させるには、まず現在使用中のライセンスを非アクティブ化する必要があります。

※ 法人向けのネットワークライセンスの場合は複数PC間でライセンスを使い回することが可能なため以降の手順は不要です。また、アクティベーションコードを使用しないサブスクリプション方式でTrados Studioをご利用の方も、以降の手順は不要です。


■Trados上での非アクティブ化

現在使用中のTrados Studioを起動できる場合は、Trados Studio画面上部の「ヘルプ」タブの「製品のアクティベーション」からライセンスを非アクティブ化します。


 
非アクティブ化が無事に完了したら、RWSアカウント上でライセンスの状態が「使用可能」状態になったことを確認します。ライセンス情報は、RWSアカウントの「製品およびプラン」の「ライセンスとサブスクリプション」で確認できます。

ここでライセンスがまだ「使用中」になっている場合は、非アクティブ化は完了しておらず別のPCでは使用できない状態となります。


■Trados Studio上で非アクティブ化できない場合

Trados Studio上で非アクティブ化がうまくいかない、またはPCの紛失・故障などによりTrados Studioを起動できない場合は、RWSアカウント上で直接ライセンスを非アクティブ化することが可能です。「製品およびプラン」の「ライセンスとサブスクリプション」ページで非アクティブ化をしたいライセンスの右側にある「ライセンスのリセット」をクリックし非アクティブ化を行います。

 
または、専用フォームからライセンスの非アクティブ化を申請することも可能です。専用フォームからライセンスの非アクティブ化(リセット)を申請した場合は、しばらくしてから「使用中」の状態に戻っていることを確認してください。申請方法についてはこちらのページをご確認ください。


④ 新しいPCでライセンスを再度アクティブ化する

最後にライセンスを別のPCでアクティブ化します。RWSアカウントでライセンス情報をコピーし、別のPCにインストールをしたTrados Studio上に入力をします。これで別のPCへの移行は完了です。

なお、Tradosのクラウド機能上にデータを保存している場合にはデータの移行は不要ですので、引き続き新しいPCからクラウド上のデータを選択し使用が可能です。

■インストールとライセンスに関する無償サポート

またTrados Studioをお使いの方は、「インストール」と「ライセンス」の2つに関する問題は無償でサポートを受けることが可能です。これら2種類の問題については、こちらの専用フォームに必要事項を記載の上、専用サポートまでお問い合わせください。

このフォームの記載方法については、ライセンスおよびインストールに関するサポートをご覧ください。

(Trados Studioの使い方や機能など、インストールとライセンス以外に関するサポートについては有償契約が必要となります。有償契約をお持ちでない場合は、RWS Communityもご活用ください)

島田 智紀
制作者

島田 智紀

シニアソリューションコンサルタント
RWSでTrados製品のコンサルティングをしております。
Trados認定トレーナー。
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