はじめてのTrados Studio 2022 ~トライアルガイド~

島田 智紀 2023年10月12日 読了目安時間:5分
はじめてのTrados Studio 2022 ~トライアルガイド~

はじめてのTrados Studio 2022 ~トライアルガイド~

皆さんこんにちは。RWSグループの島田です。
 
今回はTrados Studioの無料トライアルを始めるにあたりどのように進めるとよいか、基本の手順と操作をご紹介します。トライアルで十分にTradosを評価していただき、Tradosが皆様の翻訳業務のパートナーとなりましたら、うれしく思います。すでにTradosをお持ちの方で改めて基本操作をおさらいしたい場合にもご活用いただける内容です。 
 
*本ブログではTrados Studioを「Trados」と短く表記します
 
【このような方に適した内容です】
・トライアルをダウンロードしたが、何から始めてよいかわからない
・翻訳メモリを、自分のデータで試してみたい
・Tradosの購入を検討しているが、使いこなせるか不安
・Tradosを購入したが使い方がわからない
 
本ブログでは翻訳メモリを中心に具体的な手順を紹介しますので、一緒に頑張っていきましょう!
 
インストール
 
初めにTrados Studio 2022をインストールしましょう。
下記ページから、必要事項を記入の上、インストーラをダウンロードします。
(すでに購入済みの方はRWSアカウントにログインしインストーラをダウンロードしてください)
 
【トライアルページ】
 
このような「.exe」という拡張子のファイルがダウンロードされますので、これを実行しTradosのインストールを進めます。
 
Tradosは初めてインストールをすると、初回のみ30日間の無料トライアル版として起動できます。トライアル版ではフル機能を使用でき、またトライアル中に作成するデータはその後も継続して使用が可能です。
 
*ライセンスをお持ちの方はすぐにアクティブ化をしていただいても、トライアル期間後にアクティブ化をしていただいてもどちらでも構いません
 
それではTradosを起動しましょう。こちらがトップ画面になります。左下にようこそやエディタなど、画面を切り替えるボタンがあり、上のリボンには各コマンドが表示されます。
 
 
 
ファイルの準備
 
トライアルではどのようなファイルを使うのがよいでしょうか。Tradosの中心機能となる翻訳メモリを検証するには次の2つをご用意ください。
 
①ある原文ファイル(Wordやxmlなど、翻訳をしたいファイル)
②上記原文ファイルに関連する翻訳済みの原文ファイルと訳文ファイルのセット
 
ここでポイントは、トライアルの段階ではどちらも長すぎない数ページのものを使うこと(時間に余裕がある方は長い文書を使っていただいても構いません)と、①と②の間にある程度の関連性があり使いまわせそうな分節があることです。
 
これらのファイルを使用し、翻訳メモリの作成と翻訳を行います。
 
 
翻訳メモリの作成
 
トライアル時やTrados購入直後は、基本的に翻訳メモリ(過去の翻訳データが蓄積されたもの)の中身がゼロの状態からスタートします。そのため最初に翻訳メモリの作成を行うことで、過去のデータをすぐに活用することが可能となります。②の原文/訳文のセットから新規の翻訳メモリを作り、①の原文を翻訳する際にその翻訳メモリを使用していきます。②の対訳ファイルを用意したら、手順を以下のガイドの「2.整合」で確認し翻訳メモリを作成してみましょう。
 
【翻訳メモリの作成ガイド】
 
いかがでしょうか?無事に翻訳メモリは作成できましたか。
つまずいてしまった方や、翻訳メモリの作成を行う時間がない方はここのステップを無視していただいても構いません。
 
*翻訳メモリの作成は必須ではありませんが、作成することですぐに過去のデータを流用しやすくなります
 
【サンプルプロジェクトを使う場合】
Tradosをインストールする際に「サンプルファイルを読み込む」を選択した場合、すでに翻訳メモリを含むサンプルプロジェクトが取り込まれています。その場合は翻訳メモリとプロジェクトの作成は不要ですので、画面左下の「プロジェクト」ビューでサンプルプロジェクトを開き、翻訳を開始してください。
なおサンプルには用語ベースも含まれますので、用語ベースを確認したい方はサンプルプロジェクトをご使用ください。
 
サンプルは通常こちらのパスに保存されています。
C:\Program Files (x86)\Trados\Trados Studio\Studio17\Samples\Projects\SampleProject
 
 
翻訳プロジェクトの作成と翻訳メモリの使用
 
続いて、翻訳プロジェクトを開始します。Trados上での翻訳は基本的に以下の流れで翻訳作業を進めていきます。こちらのご利用ガイドに内容をまとめています。
 
【Trados Studioご利用ガイド】
 
【翻訳プロジェクトを作成】
・原文ファイルの取り込み
・言語の選択
・翻訳メモリの選択
 ↓
【翻訳を開始】
・訳文を入力 / 翻訳メモリの検索結果を流用
・翻訳した分節を翻訳メモリに登録
 ↓
【用語ベースの使用】
・用語ベースの選択
・用語ベースの検索結果を使用
 ↓
【検証】
・翻訳の内容に不備がないかをチェック
 ↓
【訳文の生成】
 
上記ご利用ガイドの「2.プロジェクトの作成」を確認しながら、用意した①の原文ファイルを選択し翻訳プロジェクトを作成します。その際に作成した翻訳メモリを選択しプロジェクトを開始します。
 
ガイドの「3.翻訳作業の基本」に従い進めていき、「3-2.翻訳メモリの利用」で作成した翻訳メモリから使いまわせる分節がないかを見てみましょう。どうでしょう、同じ分節または似ている分節が候補として出ますでしょうか? ここで候補が出た方は、実際に翻訳メモリ(過去のご自身の翻訳データ)から分節を流用する感覚をつかんでいただけたかと思います。
 
またガイドの「4-1.一括翻訳」という機能を使い、一括で翻訳メモリからの候補がある分節に挿入することもできます。ここで流用できる分節が複数見つかる場合は、時間や手間を削減できる様子がお分かりいただけると思います。
 
候補が出ない場合は、同じまたは似ている分節が今の時点ではありませんが、ご安心ください!今回作成した翻訳メモリはデータ量が少なく流用できる分節が見つかりませんでしたが、Tradosでは翻訳をすればするほどデータは大きくなっていき、今後使いまわせる分節は増えていきます。また過去の対訳データをより多くインポートすることですぐに流用できるデータとして活用が可能です。
 
 
エディタ機能
 
またTradosの各エディタ機能も使用してみましょう。ご利用ガイドの「4.翻訳時に利用する機能」を確認し、便利な機能を使ってみてください。
・一括翻訳
・訳語検索
・プレビュー
・表示フィルタ
・ファイルの解析 など
 
検証と訳文生成
 
翻訳が完了したらご利用ガイドの「3-4.検証」を行い、訳文に問題がないかを機械的にチェックします。チェックが終わり次第、「3-5.訳文の生成」で訳文を生成し、原文と同じファイル形式で訳文が出力されることを確認します。(例えばWordならWord、xmlならxmlで出力されます)
 
これで一通りの基本操作は完了です!
 
 
最後に
 
今回はトライアルの進め方について、具体的な手順をご紹介しましたがいかがでしたか。ご自身のデータから翻訳メモリを作成し使用してみることで、データを活用できる流れを具体的にイメージできたかと思います。手動で翻訳をする場合に比べ、Tradosを使うとより早く簡単に翻訳作業を進められることをご理解いただければ幸いです。
 
ご参考に、トライアル中に次の項目を検証できたかご確認ください。
 
【検証チェックリスト☑】
☐ 翻訳プロジェクトを作成し翻訳を開始する
☐ 翻訳メモリから同一/類似の分節を訳文に適用する
☐ 翻訳した分節を翻訳メモリに登録する
☐ 一括翻訳と解析レポートを試す
☐ 検証機能を使いエラーを修正する
☐ 訳文を生成する
☐ 翻訳メモリをご自身のデータで作成して使ってみる(可能な場合)
 
これらの検証ができていればTradosの主な機能である翻訳メモリの理解は十分です。
 
30日間の無料期間中にTradosを検証いただき、ぜひ前向きにご検討いただけましたら幸いです。
デモやより詳しい情報をご希望の場合はお気軽にお問い合わせください。
 
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島田 智紀
制作者

島田 智紀

シニアソリューションコンサルタント
RWSでTrados製品のコンサルティングをしております。
Trados認定トレーナー。
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