Trados Studioでの作業時に便利なショートカットキーと、ショートカットキー割り当ての確認、変更、追加方法

島田 智紀 島田 智紀 シニアソリューションコンサルタント 2024年4月30日 読了目安時間:4分 読了目安時間:4分

Trados Studioでの作業時に便利なショートカットキーと、ショートカットキー割り当ての確認、変更、追加方法

頻繁に使用する機能をショートカットキーで呼び出すことは作業効率を高める上で重要です。もちろん、Trados Studioでもさまざまなショートカットキーを利用でき、文字列のコピー(Ctrl+C)と貼り付け(Ctrl+V)、バイリンガルファイルの保存(Ctrl+S)といった一般的なショートカットキーは皆様も普段から使われているかと思いますが、今回はTrados Studioならではの便利なショートカットキーをいくつかご紹介するとともに、ショートカットキー割り当ての確認、変更、追加方法もご紹介します。


Trados Studioでの作業時に便利なショートカットキー

以下に、Trados Studioでの作業中に便利なショートカットキーのうち、代表的なもののみをご紹介します(いずれの説明も既定の設定を前提としています)。

  1. [Ctrl+Enter] : (こちらは定番中の定番ですが)、エディタ内でいずれかの訳文分節にカーソルを置いた状態でこのショートカットキーを押すと、訳文分節が確定され、プロジェクトに設定されている翻訳メモリ(そのうち、[更新] チェックボックスがオンになっているもののみ)に原文分節と訳文分節のペア(翻訳単位)が登録されて、次の未確定分節にカーソルが移動します。(エディタ画面でのみ使用できます)


  2. [Ctrl+Alt+A] : エディタで開かれているバイリンガルファイルの全分節を選択します。全分節のステータスを変更したり、全分節をロック/ロック解除したりする場合に便利です。(エディタ画面でのみ使用できます)

  3. [Alt+Insert] : 原文分節の内容を訳文分節にコピーします。(エディタ画面でのみ使用できます)

  4. [Alt+Delete] : 訳文分節の内容をクリア(消去)し、分節のステータスを「未翻訳」に戻します。(エディタ画面でのみ使用できます)

  5. [Ctrl+L] : 選択されている分節をロック/ロック解除します。(エディタ画面でのみ使用できます)

  6. [Alt+F2] : 原文分節内にカーソルを置いた状態でこのショートカットキーを押すと原文分節を編集できます。ただし、[プロジェクトの設定] > [プロジェクト] で [原文の編集を許可する] が有効になっている場合にのみ機能します。(エディタ画面でのみ使用できます)

  7. [Ctrl+,(カンマ)] : 原文分節内のタグまたは固定要素(数字や頭文字など)を訳文分節に挿入するためのドロップダウンリストを表示します。訳文内の特定の範囲を開始タグと終了タグのペア(<b> </b>など)で囲む場合は、訳文内の文字列範囲をマウスでドラッグして選択してからこのショートカットキーを使用します。ペアではなく単独のタグ(<img/> や <br/> など)や数字などの固定要素を挿入する場合は、(訳文内の文字列範囲を選択するのではなく)タグや要素を挿入したい位置にカーソルを置いてこのショートカットキーを使用します。(エディタ画面でのみ使用できます)


    なお、エディタ画面上で原文中の(太字や下線や斜体などの)書式設定範囲をタグとして表示するかどうかを切り替えるには、上部リボンで [表示] を選択し、[オプション] グループにある下図赤枠内のボタン([書式タグの表示を切り替えます])をオンまたはオフにします。


    固定要素として認識される要素を変更したい場合は、① [プロジェクトの設定] > [すべての言語ペア] (または特定の言語ペア)> [翻訳メモリと自動翻訳] を選択し、② (左のチェックボックスではなく)翻訳メモリの名前の上をクリックし、③ [設定] ボタンをクリックし、④ [言語リソース] を選択して、⑤ [次を認識する] フィールドの右端にある [▼] をクリックして固定要素として認識させたくない要素を選択解除します。


    また、任意の語句や文字列を固定要素として認識させたい場合は、同じページで原文言語の [変数リスト] 列で「既定」と表示されているところをクリックし、[変数] ダイアログの [値] 列に文字列を入力して右端の [+] をクリックしてダイアログ下部の [OK] をクリックします。


  8. [F3] : 原文分節または訳文分節内の単語やフレーズを選択した状態でF3を押すと、プロジェクトに設定されている翻訳メモリの中でその単語やフレーズを使用している翻訳単位が検索され、一致結果が [訳語検索] ウィンドウに表示されます。(エディタ画面でのみ使用できます)


  9. [Ctrl+Shift+L] : 訳文分節内のカーソル位置に用語ベースと一致した用語に対する訳語を挿入するためのドロップダウンリストを表示します。上下矢印キーで訳語を選択してEnterを押すとカーソル位置に訳語が挿入されます(エディタ画面でのみ使用できます)


  10. [Ctrl+<数字>] : [翻訳結果] ウィンドウに翻訳メモリとの一致や機械翻訳結果が複数表示されている場合、Ctrlキーを押しながら [翻訳結果] ウィンドウ内の候補番号に対応する数字キーを押すと、選択した翻訳メモリとの一致または機械翻訳結果が訳文分節に適用されます。(エディタ画面でのみ使用できます)


  11. [Ctrl+F2] / [Ctrl+Shift+F2] : 原文分節内と訳文分節内で選択されている語句を用語ベースに追加します。用語の追加(Ctrl+F2)を選択した場合は、用語ベースに追加される用語が [用語ベース ビュー] に表示され、必要に応じて編集できます。用語のクイック追加(Ctrl+Shift+F2)を選択した場合は、[用語ベース ビュー] での確認、編集を省略して直ちに用語を用語ベースに追加できます。(エディタ画面でのみ使用できます)


    なお、用語の追加先は [プロジェクトの設定] > [すべての言語ペア] (または特定の言語ペア)> [用語ベース] で一番上に表示されている用語ベース(名前の後ろに「(既定)」と表示されているもの)となります。


  12. [F8] : エディタで現在開いているファイルの全分節に対し、プロジェクトの設定の [検証] > [QA Checker 3.0]、[Tag Verifier]、[用語検証機能] およびファイルタイプ固有の検証設定で指定されている検証を実行します。(エディタ画面でのみ使用できます)


  13. [Ctrl+N] / [Ctrl+O] : 新規プロジェクトを作成するとき、および既存プロジェクト(.sdlprojファイル)を開くときに使用します。また、[Ctrl+Shift+O] を使用するとプロジェクトを作成せずに1つの文書だけを取り込んですばやく翻訳できます。(いずれも、どの画面(ビュー)からでも使用できます)

  14. [Ctrl+Alt+K] : プロジェクトパッケージ/返却パッケージを開くときに使用します。(どの画面(ビュー)からでも使用できます)

  15. [Ctrl+D] : [翻訳メモリ] 画面(ビュー)でカーソルが置かれている翻訳単位を削除候補としてマークします。[変更の確定] をクリックすると、マークした翻訳単位が翻訳メモリから実際に削除されます。



ショートカットキー割り当ての確認、変更、追加方法

上部リボンから [ファイル] > [オプション] > [ショートカットキー] を選択すると、お使いのTrados Studio環境で現在設定されているショートカットキーを確認できます。[ショートカット キー] の下では、各機能グループや各画面や各プラグインごとにコマンドがグループ化されています。

現在のショートカットキー割り当てを変更または追加する場合は、[ショートカット] 列内をクリックして選択状態にし、割り当てたいショートカットキーをキーボードで押します。


 
他のコマンドと競合するショートカットキーを選択した場合は、そのコマンドの行が赤く表示されます。この場合は、他と競合しないショートカットキーを割り当て直します。

 
既定のショートカットキー割り当てに戻す場合は、各ページの左下にある [既定値に戻す] をクリックします。
島田 智紀
制作者

島田 智紀

シニアソリューションコンサルタント
RWSでTrados製品のコンサルティングをしております。
Trados認定トレーナー。
この執筆者の全記事: 島田 智紀