Trados Enterpriseの新機能 – 2022年第3四半期の概要
2022年11月17日
読了目安時間:6分
Trados Enterpriseはアジャイルなクラウドベースであるため、ユーザーは新たなイノベーションや新機能を継続的に利用できるというメリットを得られます。また、アップデートが1日複数回にわたってプラットフォームに展開されるため、3か月で大きな進化を遂げることができます。
お客様がTrados Enterpriseの開発状況を把握できるよう、これから四半期ごとに最新アップデートの概要をまとめてお届けしていきたいと思います。このお知らせは、リリースと同時にTrados Enterpriseのお客様宛に自動配信されます。
Trados Enterpriseの機能強化の詳細は、RWSコミュニティでご確認いただけます。
ワークフローの自動化が容易に
ローカリゼーションワークフローの改善は、Trados Enterpriseの要です。2021年に導入された新しいワークフローエディタを使用すると、ワークフローを簡単にカスタマイズして自動化できるため、大幅な時間短縮につながります。当社では、ワークフロー機能の強化を継続して行っていますが、そのうちの1つがヒューマンワークフロータスクの複数の分岐です。この新機能により、分岐またはループ要素を含むワークフロー設計での柔軟性が向上し、ヒューマンタスクに対して最大4つのカスタムアクションを追加で指定することができます。
ヒューマンワークフロータスクの複数の分岐を示すスクリーンショット
プロジェクト管理のユーザー体験の向上
Trados Enterpriseは、役割別のインタフェースを採用し、すべてのユーザーに向けて最適化されています。プロジェクトマネージャーはTMS(翻訳管理システム)に多くの時間を費やします。そのため、プロジェクトマネージャーの作業を容易にする多くの新機能をリリースしました。たとえば、プロジェクト詳細画面での新しいリストビューの導入。これにより、多くのタスクを含むプロジェクトの作業がよりシンプルになりました。なお、新しいリストビューに切り替えても、ステージビューから使用できるすべての一括アクションが引き続き適用されます。
このほかにも、プロジェクトマネージャー向けに多数の機能強化が実装されています。
- 実行中のプロジェクトのファイル名を変更するオプション
- 完了した訳文ファイルのみをダウンロードするオプション
- 翻訳メモリの作成時に、1つの原文言語に複数の訳文言語を設定するオプション
- 価格モデルを原文言語と訳文言語でフィルタリングする機能
- 翻訳メモリの構造のコピー
- [プロジェクトの詳細]->ステージ表示でタスクをグループ化するオプション
- ファイル名の一致に基づいて一括アップロードするオプション
完了した訳文ファイルのみをダウンロードするオプションを示すスクリーンショット
顧客ポータルの機能強化
顧客ポータルでは、依頼者が翻訳プロジェクトの作成、追跡、取得を簡単かつシームレスに実行できます。最近、顧客ポータルではさまざまなアップデートが新たに導入され、ユーザーは次のことが可能になりました。
- 個々の原文ファイルを翻訳する訳文言語を指定できます。
- プロジェクトが承認されるまで、顧客ポータルからプロジェクト名と説明フィールドを編集できます。
- カスタマーレビュータスク用にTQAを設定し、カスタマーレビュー担当者が顧客ポータルを介して翻訳品質を評価できます。
カスタマーレビュー用のTQAを示すスクリーンショット
オンラインエディタの改善
ユーザー体験に関する多くの機能強化の中で最も重要なものの1つが、リアルタイムでプレビュー可能なファイル形式の大幅な増加です。現在、合計20以上のファイル形式のプレビューをサポートしています。オンラインエディタの最新のリアルタイムプレビューには、Adobe Experience Manager(AEM)のコンテキストに合わせたプレビュー機能を採用し、AEMコネクタの全ユーザーが使用できるようになっています。そのため、翻訳・レビュープロセス中にオンラインエディタでコンテキストに合わせたプレビューが可能になります。
そのほか、オンラインエディタには、原文の要素(タグ、頭字語、用語、書式設定、その他あらゆる項目)を訳文分節にすばやく配置するための拡張機能も含まれています。
AEMのコンテキストに合わせたプレビューを示すスクリーンショット
用語集管理を効率化
Trados Enterpriseには、簡単で安全な用語集管理機能が備わっています。この用語集管理機能に新しくエントリ履歴機能が追加されました。エントリ、用語、フィールドを作成したユーザーと、作成日時と最終変更日時がエントリごとに表示されます。
また、新しいエントリを追加する際に用語の重複を避けるためのスマートな処理も導入されています。これによりユーザーは、同じ言語の用語ベースにすでに存在する用語を追加する場合の方法を決定し、必要に応じて、同音異義語のエントリの個別の作成を管理できます。
新しいエントリ履歴機能のスクリーンショット
APIの強化
ビジネス全体で効果的なエンドツーエンドプロセスを作成できるよう、当社ではAPIの機能強化を多数実装しています。オープンAPIでは、すでに豊富な機能セットを提供しており、新たな機能が次々とAPIに追加されています。今四半期中では、20以上のAPI強化を実施しました。このAPI強化の詳細については、こちらをご覧ください。
今回の四半期ごとの概要はお楽しみいただけましたでしょうか。次回は1月のお届けになります。ぜひ楽しみにお待ちください!
Trados Enterpriseをまだ使用していない場合は、当社までお問い合わせください。詳細なデモについてご案内いたします。